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日本下戸サミット@Clubhouse

2021年1月、突然始まった新しい音声SNS「Clubhouse」の大流行により、感度の高い人、流行りモノが好きな人が一斉にClubhouseを始めました。たまたま「またサミットやりましょうよ」というお声がけを頂いていたことと、せっかくならこの流れに乗っておこう!ということで、日本下戸サミットをClubhouseで行ってみる、という実験をすることにしました!

イベントの主旨

正直なところ、「Clubhouseでやってみよう」がスタートラインだったため、単なる雑談でもいいのかなと思っていましたが、これまでの下戸サミットでは毎回「テーマ」を決めていたので、いちおうテーマを決めることにしました。今回のテーマはズバリ、

「アフターコロナの下戸世界」

としました。ニューノーマルな生活様式がもはや日常となってしまった今、お酒の楽しみ方、下戸を取り巻く環境はどう変わったのか?そしてどう変わっていくのか?ということをテーマに、ゆるく語り合おうという主旨です。語り合おう、ということなので、慌ててゲストを探そうと声掛けさせて頂いたら、急なお願いにもかかわらず豪華なメンバにご参加頂けることとなりました!

<ゲストのみなさま>

川人 ゆかり(kawahito yukari)
合同会社ミラマール 代表社員

1985年大阪生まれ。
新卒で入社した人材紹介会社を退社後、ゲストハウスでの住込み暮らしを経て海外無期限の旅へ。
1年半ほどで帰国し独立。「暮らす・働く・旅をする」をテーマに国内外複数のプロジェクトに参画。
2012年より都市部の若者と地方をマッチングする任意団体ローカルキャリアカフェの代表となり地域と個人の暮らし両方を応援する企画を多く手がけている。
下戸である父の血を濃くひいたため元々お酒には弱く、独立のタイミングで完全にアルコールを断つ。
「一升瓶抱えてそうだよね」というキャラを裏切り、飲み会では一杯目からウーロン茶をオーダーするなにわのワーキング主婦。

https://www.facebook.com/yukari.kawahito

鈴木 敏郎(SUZUKI Toshiro)
LASER株式会社 Director

Webサイトを軸に、プレゼンテーションの手法を活かした「伝わるしくみ」を考えています。
クリエイター養成専門学校のスタッフを経て、2005年からWeb・グラフィックデザイン・システム開発を行う制作会社でアートディレクター・取締役を務める。
2013年、子供ができたことをきっかけになぜか独立。「クリエイティブ以前のコンセプトワーク」と「改善の仕組み化」を共創するコンサルティングサービス・制作物を提供する。
1974年生まれ。TEDxKobe副代表。

https://www.facebook.com/suzuky2001

児島 麻理子(kojima mariko)
hello pr & consulting 代表
PR consultant

バカルディ ジャパンで10年半に渡りスピリッツやバー文化 を広める活動を行い、2020年にhello pr & consultingを立ち上げ。マガジンハウス「hanako.tokyo」でのバーテンダー連載など、お酒に関する執筆やPRを行う。現在、広報室長として関わるオリオンビールでは、健康への配慮からストロング系チューハイから撤退するトピックを広めるなど、新しいお酒の楽しみ方を提案している。

https://www.instagram.com/mariccokojima

岡部 祥司(Okabe Shouji)
アップテラス代表取締役
NPO法人「ハマのトウダイ」代表

1974年神戸市生まれ。大学卒業後、1997年竹中工務店入社。その後、横浜を拠点に活動し、2011年にWEBシステム制作会社・アップテラスを設立。現在、同代表取締役を務める傍ら、2004年に地域への関わりを深めるため、一般社団法人横浜青年会議所に入会し、2012年に理事長職を経験。NPO、行政、地元企業との関係が高まり、2014年にNPO法人「ハマのトウダイ」を設立。アウトドアオフィスやパークキャラバンなどの活動が評価され、2016年グッドデザイン賞を受賞。

記事:三菱地所設計「Discussion」

Clubhouseトークスタート

まず最初は事実から押さえようということで、「コロナでどう変わったか」について皆さんの感想を聞かせて頂いた。鈴木さんを代表とする「飲む人達」にとってはやはり飲む機会が減ったし、「夜飲めないから朝飲もうと思って朝にお店に行ったら、朝もお酒はダメで、11時からしか提供してもらえなかった」という話も出てきて、はやくも下戸には知りえない情報を得ました(笑)

また、Bar文化に詳しい児島さんにお伺いすると、現場ではやはりお客が減ってしまったので、開店時間を早めたり、ペアリングメニューを開発したりと、様々な工夫をするお店が増えているという。飲食店にとっては厳しい時期だが、消費者としては新たなサービス・選択肢が増えるという意味ではありがたい話とも言える。

一方、飲めない側からすると、実は生活自体は大きく変わっておらず、飲む機会が減った分、より快適に過ごせているという。川人さんや岡部祥司さんなどは、オンライン飲みになったおかげで、普段会うことがない人たちとの繋がりが増えたり、ヨガなどに時間を使ったりもできたという。ここでもまた、時間に余裕ができた分、選択肢が増えたという流れが伺える。

これは飲む・飲まないの話だけではないが、コロナによって旧来の活動が制約を受け、その分別の活動が広がっているので、全体として「多様性が加速している」と言えそうだ。そしてこの流れはおそらく、「飲める」「飲めない」だけでなく、その間にいる人たちにも選択肢を与えることになるので、よい流れなのではないかと思う。(経済的な問題は一旦脇に置いておくとして)

ゲストの追加招待

ここがClubhouseの面白いところだと思うが、聞きに来てくれた人をスピーカーとして壇上にあげることができる。たまたま、児島さんのお知り合いで、某飲料メーカーでPRをされている方が参加されたので、その方をお招きしてお話を聞くことにした。なんでも、「ビネガードリンク」という新製品を出していて、カクテルのように出せる、健康に良いドリンクとして、お店と提携を始めているということだ。ここでも、新しい選択肢が広がっている。

これまでのように「飲める人向け」「飲めない人向け」ではなく、そこに例えば+α で「美容」「健康」によいドリンクというのを、うまくラベリングして提案ができれば、それもまたドリンクの選択肢として確立することができそうだ。こういった「何かと何かの境界がボヤけてきて、その間を上手くデザインする」ということを、岡部祥司さんは「社会のゆらぎをデザインする」と呼んでいて、ここを上手くデザインできれば、下戸の選択肢がより広がるかも知れない。

さらに今度は岡部祥司さんのお知り合いで、「下戸の酒屋のマスター」という方をお呼びした。下戸なので、新しいお酒の試飲会でも命がけだという(笑) マスター曰く、自分の舌が「辛口」というものが良く分からないので、うちの酒は甘口ばかりとのことだ。そもそも「辛口」とか「キレ」ってなんなんだ、という話になったところに、今度はある酒造メーカーの社長の奥様が参加されていたので、その方にも急遽スピーカーになって頂き、日本酒の「辛口」についてレクチャーいただく、という時間になった。どんどん話が横に展開し、カオスな場になっていくが、比例して場は盛り上がっていた(笑)

最後にもう1人、実は前日の2/4にほぼ同じようなテーマ「下戸×飲んベぇ」でClubhouseでトークを主催されていた、Shiraferの小石川さんをお呼びしました。小石川さんは、我々と同じく下戸文化を広めるためにShiraferというメディアを立ち上げられ、東京方面で活動されている方で、我々と通じるところも多い。テッパンの「下戸の由来」というお話を頂き、またいつか一緒にイベントやりましょう、というコメントを締めとして、今回のサミットの幕を閉じました。

サミットを終えて

今回は正直に言うと、テーマの内容に対してそれに特化したゲストを集めた、というわけではなく、ざっくばらんに話ができるメンバとして集まって頂いたので、想定通りというか、会話はあらゆる方向に飛び、決してテーマに沿った内容ではありませんでしたが、場は盛り上がったと思います。

そして、裏の主目的として「Clubhouseでイベントをやってみる」ということを考えていましたので、それに関して気付いたことをまとめてみたいと思います。

<実施してみて気付いた点>
・気軽に設定でき、聞く方もリラックスして聞くことができる
・スピーカーとオーディエンスを入れ替えたりすることで、相互性が生まれる。単純にゲストを招くだけでなく、なにか「相互に遊ぶ」ような仕掛けができる可能性がある。
・資料などを見せることができないので、場の統制は難しい。裏表だが、会話で成り立つものなので、どこまでも広がっていく未知の可能性がある

その他、Clubhouseそのものに関して思うことなどありますが、それは主旨と外れるのでまた別の機会にまとめてみたいと思います。

コロナにより、これまで当たり前だったことができなくなった代わりに、様々な「新しい試み」が生まれ、それが多様性を生む結果になっています。おそらく下戸向けの新しい製品・サービスもこの流れでたくさん生まれてくると思いますが、それを一過性のブームにするのではなく、定着させるため、文化として根付くためにどういうことができるのか、ということを考えるのが次の課題だろうなと思いますし、そういうところに貢献できる可能性があると思っています。

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