読込中

第1回 日本下戸サミット

2020年のゴールデンウィーク、FUNTESTは「未来の都市生活の面白み、心地よさを追求するフェスティバル【078KOBE ONLINE】」に参加し、NPO法人ゼロワンの池嶋さんと一緒に「日本下戸サミット」を実施させて頂くことになりましたので、そちらのレポをお届けします。

サミットの構想

昨今、お酒を飲まない人の割合が増えており、定期的にお酒を飲む人の割合を超える勢いを見せています。しかしまだまだマーケット、居酒屋やBarなどの場所、そして人々の意識は「お酒を飲む人」が中心になっています。お酒を飲まない人だって、お酒を飲む人と同じような楽しみを味わいたい。そんな「下戸の声」を集め、「下戸」という愛すべき生き物の生態を明らかにする。そして、「飲める人も飲めない人も一緒に楽しめる」そんな世界を作っていくため、我々は下戸サミットを行うことに決めました!

下戸サミットは、事前に行った下戸向けのアンケート「全国下戸生態調査」で集めたたくさんの下戸の声を元に、様々なジャンルの「下戸のゲスト」と一緒に下戸の生態を明らかにしていく、という形式で行いました。アンケートは本当にギリギリになって作成し、わずか1週間程度の期間しか募集できなかったのですが、200名を超える皆さんにご協力いただくことができました。この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。

本編ダイジェスト

池嶋さんによる開催趣旨のご説明の後、バラエティ豊かな下戸ゲストの皆様に登場頂きました。世界を旅する下戸:前田さん、顔だけは酒豪:川人さん、JCで生き抜く下戸:足立さん、そしてニュータイプ下戸のロシア人:ニコライさん! 性別・国籍をまたがるワールドレベルの顔ぶれでさっそくスタートしました!

まず最初に、前提知識として「データで見る 下戸を取り巻く現状」を確認。「飲まない人が増えてきている」という話は様々なところで出ていますが、さらにその「飲まない人」を「体質的に飲めない=従来の下戸」と「飲めるけど飲まない=ニュータイプ下戸」という層に着目して深堀りしていく形で進められます。

「下戸の生態」として最初に取り上げたのは、「飲めるようになるために努力したことがありますか」という問い。これには全国の下戸たちの涙ぐましい努力が詰まっていて、我々は涙が止まりませんでした。しかもその多くは「無駄だった」と回答しています。このことはぜひ皆さんに広く知って頂きたいと思います。「飲めば強くなる」というケースはほんの一部の方だけであり、多くは飲んでも強くなったりはしませんので、無理したり、無理させるようなことはないようにお願いします。

次に「ニュータイプ下戸」に対して、お酒を飲まない理由を問うてみました。多くは「被害防止」のためでしたが、状況によって美味しく飲めるシーンとそうでないシーンがある、であるとか、飲んではいけないシーンがあるなどの理由があがっていました。健康志向や社会的な制約によって自分をコントロールする人が増えてきているのだな、と感じます。

ここから、様々な「下戸あるある」や「下戸の主張」を中心にトークが展開されます。わかるわかる!という共感を呼ぶエピソードの数々に加え、ゲスト達の生々しい、あるいは珍しいエピソードが華を添えてくれます。さらに今回、飲める側代表として参加して下さっている鈴木敏郎さんの絶妙なコメントとエピソードが場を沸かせてくれ、サミットは大盛り上がり。コメント欄も078KOBE ONLINEの中で一番数が多かったのではないかと思います。

…と、ここで長々と書くのもネタバレになってしまいます。アーカイブの動画がありますので、ぜひこちらをご覧頂ければと思います!

また、出演して下さったゲストの皆さん、主催の池嶋さん、岡部のプロフィールはこちらに詳しく載っております。
https://2020online.078kobe.jp/events/13731/

実施してみて

まずは共催して頂いた池嶋さん、ならびに出演して頂いたゲストのみなさんに感謝を申し上げたいと思います。おそらく日本初となるであろうこの試み、やってみて単純に「楽しかった」のですが、同時にたくさんの学びがありました。

特に今回、実際に下戸の声を集めようとアンケートを行ってみて驚いたのは、想像以上に「飲まない人」がたくさんいたこと、そしてそのバリエーションが豊富であることでした。そこから読み取れるのは、この問題は決して「飲める人」と「飲めない人」という単純な対立構造で成り立っているのではなく、様々な事情や状況を抱えた人が、多様な価値観をいかに現実とすり合わせていくか、というダイバーシティの問題だということです。

今回私たちはあえて「下戸サミット」という言葉を使いました。それは響きがキャッチーであるということ、下戸にスポットライトをあてよう、という意図からでしたが、実は「下戸」という言葉自体が、何らかの線を引いてしまっていることも感じていました。飲める人と飲めない人の間にはグラデーションがあり、そういう多層な人たちがいる中で、どの階層の人も幸せになれるようにすることが大事だと思っています。

サミットの冒頭でも触れましたが、「下戸」に焦点をあてようとしたとき、つい「下戸の不満を飲める人たちにぶつける」というマウンティングになりがちです。しかしそれは本意ではありません。私たちが目指すのは、「飲める人、飲めない人が一緒に楽しく過ごせる、平和で楽しい世界」なのです。

飲める人、飲めない人、それぞれがお互いのことをよく知らなかったり、あるいは飲める人同士・飲めない人同士の中にも様々な「違い」があります。それらの違いを理解し、相手を不快にしないために、そして一緒に楽しむためにどういうことができるのか。世界をどう変えていければ、もっと楽しい世界にすることができるのか。

これからも様々な社会実験を行っていきたいと思います。一緒に世界を変えていきましょう!

下戸図鑑が完成しました! (2020/07/11追記)

2020年5月に実施された下戸サミットの様子と、その事前準備として実施された「全国下戸生態調査」の結果をまとめ、下戸の生態や習性を明らかにした世界初(?)の調査資料「下戸図鑑」を作成いたしました!

この「下戸図鑑」は、オープンソースとして公開したいと思いますので、ご自由にお使い頂きたいと思います。

下戸と飲める人の相互理解を促し、共に楽しみ喜びを分かち合える平和な社会を創ること(つまり世界平和の実現)の一助になれば幸いです。

\ シェアよろしくお願いします /
copyright © FUNTEST