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日本下戸サミット -極-

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2020年9月5日、FUNTESTは文化庁・神戸市が共催のイベント「078KOBE」に参加し、前回に引き続き池嶋亮さんと2人で「日本下戸サミット」を企画開催させて頂きました。非常に学びの多いサミットになったので、ここで記録に残しつつ、その学びをまとめておきたいと思います。

イベントの背景・趣旨

まず今回の背景なのですが、前回の「第1回日本下戸サミット」では「下戸の生態を知ってもらう」ことを目的に、下戸あるあるなどを面白おかしく紹介する、というような形で進めておりました。(詳しくはこちら

その際にも少し触れたのですが、なんと現在、あるアンケート調査によれば日本人の40.1%は「全く飲まない」「ほとんど飲まない」という回答をしています。人口で言うと4千万もの人がもう全然飲まない、しかも今後もどんどん増えていくであろうと予測されています。つまりこれは一つの「市場である」という可能性を示していました。

サミットでも使用した資料。4,000万人とはポーランドの人口とほぼ同じ

それを受け、今回の第2回「極」では、その下戸市場にフォーカスし、すでに下戸市場で活動されている投資家・実業家の方々をゲストとしてお迎えして、下戸市場での活動実態や課題、今後の展望などを聞く。そして、見て下さったみなさんに下戸市場に興味持ってもらい、プレーヤーやユーザが増えることを目指して開催することとなりました。第1回とはうって変わって、ビジネスの側面も見えてくるサミットとなりました。

そしてこのゲスト陣がめちゃめちゃ豪華なメンバーだったんです。メディアにも多数出ておられる有名な方々で、正直ダメ元でオファーさせて頂いたのですが、みなさん本当に快く引き受けて下さり、下戸界ではもう「これ以上ない!」というラインナップになっております。下戸界、というアングルがニッチ過ぎて、この凄さが伝わり切らないところが本当に悔しいです。(笑)

<ゲストのみなさま>
・藤野 英人さま(『ゲコノミスト』Facebookオーナー)
・播磨 直希さま(YOILABO Inc. 代表取締役CEO)
・古谷 知華さま(ノンアル専門ブランド「のん」主宰)
・児島 麻理子さま(hello pr & consulting代表)
・宮澤 英治さま(ノンアル専門BAR “Low-Non-Bar” オーナー)

下戸市場とゲストの皆さんの立ち位置を図解。まさに下戸界を網羅したゲスト陣でした

ゲストのみなさんの詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

下戸サミット開幕

そんな豪華メンツで始まった下戸サミット「極」!ゲストをお呼びし、それぞれの皆さんが活動されている内容を紹介頂きます。この時点で、「下戸市場でこんな動きがあるのか」という新しい知見を得られた方も多かったんじゃないでしょうか。

例えば、自らは元々は飲める体質だったが、体調をきっかけに「下戸」へと転身した藤野さんは、下戸になったことによって様々な不自由や不公平を感じ、それを共有するために『ゲコノミスト』というFacebookグループを作ったところ、あれよあれよと5,000人を超えるフォロワーが集まり、共感の嵐を生んだこと。その体験から、投資家ならではの観点で「下戸には市場がある」という考えを『ゲコノミクス』という本にまとめられています。

また、播磨さんは「ソフトドリンクでも、ハードドリンク(アルコール)でもない、ノンアルコールだけどソフトドリンクように甘くない、苦みや引っかかりのある『ミドルドリンク』という新しいジャンルの商品を開発されていたり、宮澤さんはノンアルコール・ローアルコールのカクテルのみを扱うBarを経営し、下戸に対して広く門戸を開くという活動をされています。本当に今、様々な活動が始められているところで、まさにこれから注目すべきジャンルではないかなと思います。

そしてディスカッションはより深い話に迫っていきます。なぜこういう活動を行ったのか、実際やってみて手ごたえはどうだったのか、そして課題は、今後の展開は…。1時間では語りつくせない状態でしたが、本当に色々な角度からのお話が聞けて、私個人としても非常に有意義な時間になりましたし、視聴して下さった皆さんにとってもきっとそうであったろうと思います。

ここまで読んで下さって興味を持って下さった方、ご安心ください。アーカイブ動画かこちらからお楽しみ頂けますので、ぜひご覧ください!

サミットを終えて感じたこと

さてそしてここからは、私が特に心に残ったところや、個人的に思っていることについてまとめてみたいと思います。

まず、こうやって下戸市場が盛り上がっていくことに対して、私自身が下戸であることもあって、本当に嬉しく思っています。サミットでも藤野さんが触れて下さっていましたが、「下戸はひどい迫害を受けていたわけではないが、大事にされていないことが残念」というところが、こうやって解消されていくのは素晴らしいことだと思います。今後、「ノンアルコールドリンク」の選択肢がどんどん増えていくことを楽しみにしています。

ただ一方で、これは池嶋さんとも言っていたのですが、ノンアルコールの選択肢が増えるだけではまだ足りないのではないか?とも感じていました。なぜなら、下戸はそこまで「飲み物」に対してこだわりを持っていないからです。なので、選択肢が増えることは嬉しいが、はたして下戸は優良顧客になりえるのか?という疑問を持っていました。

しかし今回のサミットで、私のその疑問は見事に解消されました。答えは「そもそも、お酒を飲む人も、お酒だけを楽しんでいるのではない」というところです。

「飲む」だけではない楽しみ

「飲むことの一番の楽しみは」と聞くと、「人との交流」ということを挙げる人は多いです。これは私も理解していて、この点に関しては実は飲める人と下戸の間に違いはないと思っています。(もちろん、飲みの場での下戸の苦労は、第1回サミットで色々紹介させて頂いた通りですが…(笑))

しかし飲む人には、さらに上乗せで楽しめる要素が色々あったのです。
例えば、今回ゲストの播磨さんが言われていた「ペアリング」という楽しみ方。あれは、あくまで「料理」が主役であり、飲み物はその料理と飲み物をさらに引き立てるためのものでした。このペアリングはこれまで「お酒」が飲める人しか楽しめなかったものですが、これが「ノンアルコールでも楽しめる」となれば、下戸は絶対に体験したいと思います。

実際に、通常料理に+2000円でペアリングを提供していたお店が、ノンアルでのペアリングも同様に+2000円で提供するようにしたところ、これまでペアリングを頼んでいなかった下戸が頼むようになり、客単価が劇的に上がったそうです。これは「飲む」ということに主眼を置いているのではないので、例え飲み物に拘りがない下戸であっても、優良顧客になりうるものだと思います。

さらに、古谷さんが言われていた「お酒には歴史やストーリーがあり、その文化や情緒を楽しむことができるが、ノンアルコールにはまだそれがないので、それを足していくことができればもっと広がるのではないか」という視点は非常に新鮮でした。人の心を掴むにはストーリーが大事、というのは、マーケティングの世界ではよく言われることですし、もっと言えば「神話」「宗教」など、何かが広がっていくときには必ずそこにストーリーがあります。

古谷さんは、ハーブなど香辛料に深い造詣があり、現地ならではの「草」を使ったご当地ドリンクの可能性を指摘されていました。もしこれが実現できれば、下戸がそれを目当てに旅行するといった、地酒めぐりと同じような市場が生まれるということになります。ノンアルコールの浸透には、こういうストーリー、文化の醸成が不可欠だと感じました。

そしてもう一つ、宮澤さんと児島さんがお話されていた中で印象的だったのは、「これまでもBarはノンアルコールカクテルは出していた。しかし、Low-Non-Barのように、低アルコール・ノンアルコールであることを宣言することによって、下戸に対して明確に門戸を開き、敷居を下げたのは画期的だった」という話です。これは私の中ですごく腑に落ちた感覚がありました。

というのも、私もBarにノンアルコールカクテルがあるのはずっと知っていましたが、だからと言ってBarに行くことはありませんでした。やはり、どこか「お呼びでない」と感じてしまうからです。もちろん、バーテンダーの方や経営されている方とお話しても「下戸でもウェルカムです」とは言って下さいます。本気で言って下さっているのももちろん分かります。しかし、下戸からするとやはり入りづらいし、ましてや人を誘っては行けないところです。

宮澤さんのLow-Non-Barで出されているモクテルと、これまでのノンアルコールカクテルと何が違うんだろうか?とずっと思っていました。おそらく味や、種類など、飲み物そのものが違う、というところも大いにあると思いますが、一番大きいのは「明確に下戸に門戸を開いた」というところだったのではないかと思います。そしてそれは、「バーカルチャーを広めていく」というお2人の想いに、しっかりと繋がっていく取り組みなんじゃないかと思います。

下戸の未来は明るい!

私は「お酒」「ノンアル」という「飲み物」のところだけで比較していました。きっと飲む人は「お酒」そのものが好きなのであって、下戸はそうでもないので、飲み物の選択肢が増えただけでは下戸を惹き付ける魅力はないのでは、と思っていました。

しかし、飲む人は「お酒」そのものだけではなく、料理と合わせて飲んで楽しんだり、そこに付随する知識や情緒、つまりカルチャーを楽しむ、という作法を知っており、だからこそ「飲む」という行為に魅力があったのです。私にはその「飲める人の世界」が見えていなかったのです。

このように、お酒にはこれまで「飲む」だけではない様々な楽しみ方が「上乗せ」されていたのです。そして下戸は、この「上乗せ」の部分どころか、基本の「飲む」というところでさえ不遇をかこってきました。

しかし今のこのムーブメントは、私たちに選択肢を広げてくれるだけでなく、さらにその「上乗せ」の世界を楽しませてくれる、飲める人と同じ世界を見ることができる、という可能性を十分に感じさせてくれました。

下戸にできること

最後に、私たち下戸がこのムーブメントに対して何かできることはないのか?という問いに対して明確に答えを頂いたので、これを皆さんに共有しておきたいと思います。

それは「声をあげる」ということです。下戸が不遇をかこっていると感じたとき、あるいは下戸に対するこんないいサービスがあったらな、と感じたとき。そのことを周りやお店の方にきちんと伝えること。そのことが、事業に関わっている様々な方に考えるきっかけを与えることになり、ニーズに気付いてもらうことに繋がります。

事業に関わっている方がニーズに気付けば、きっとそれに対応する方法を考えて、プロダクトメーカーと相談したり、自分たちで対処したりして下さるはずです。私たちはただ先駆者たちの活躍を待っているだけではなく、自ら声をあげて、これからの下戸の明るい未来に、そして「世界平和」に貢献しましょう!

これからの下戸界の発展に期待したいと思います!!


登壇頂いたゲストの活動をご紹介いたします!応援よろしくお願いします。

★☆【藤野さん】☆★
著書「ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!
Facebookグループ「ゲコノミスト
日経ビジネス記事「下戸が開くゲコノミクスで経済効果は3000億円以上

★☆【播磨さん】☆★
YOILABO株式会社
THE MIDクラウドファンディング

★☆【古谷さん】☆★
ノンアルコール専門ブランド「のん
クラフトコーラ「ともコーラ」https://tomocola.com/
ニューフードカルチャーを巻き起こすフードレーベル「ツカノマフードコート

★☆【児島さん】☆★
連載記事「TOKYO、会いに行きたいバーテンダー
Forbes JAPAN記事

★☆【宮澤さん】☆★
日本初となる本格ロー/ノンアルコールバー「LOW-NON-BAR
プロによるモクテルレシピいっぱいのノンアルコールECサイト「nolky

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