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【ラボ】蒸留をやってみた Part2

前回「蒸留をやってみた」の記事をアップしたところ、友人の「茶人リーマン」こと松澤さんからご連絡を頂きました。(茶人リーマンってなに?と思った方は、ぜひリンクから彼の活動をチェックしてみてください)

「お茶で蒸留をやってみたらどうなるのか、やってみませんか?」

ステキなお誘いに、もう蒸留はたぶんやらないだろうなと思っていたことはすっかり忘れて「ぜひ!」と返事を返してしまいました(笑) しかしもう一度やると決めたからには、前回の失敗から学んだ上で実験をしなければ意味がありません。というわけで、改善案を考えて実践することとしました。

前回の実験からの学び

前回は鍋と鍋のフタを使って蒸留をやってみましたが、おそらくフタがしっかり密閉できておらず、蒸気が抜けてしまっていたようでした。そのため、せっかく湯気となって出てきた成分が抜けてしまったのではないか…という仮説を立てました。その結果を踏まえて、次の実験では「ちゃんとした蒸留器具」を揃えてやってみようと考えました。

しかし、いわゆる理科の実験に使われるような実験器具はものすごく高い。理科の実験室になにげなく置いてあるあの道具たちが、こんなに高いだなんて全然知らなかった。購入はちょっとハードルが高いので、レンタルも含めて色々調べてみたところ、「アランビック蒸留器」というもののレンタルをしているお店を発見しました。

銅製蒸留器 アランビック 3.0L プレミアム溶接タイプ
アランビック蒸留器。なにこのステキな道具

まず見た目が素晴らしい。なんだこれ。いつの時代のモノなんだよ、とか、蒸留のためだけに作られたモノってどうよ、とか色々思うところはありますが、これなら蒸留で発生した蒸気を逃すことなく集めることができそうですし、なにより完全にこの見た目に惹かれてしまいました。というか、実験そのものよりコレを使ってみたい、という気持ちになり、こちらをレンタルさせて頂くことにしました!

第2回蒸留実験の開始

さて、そういうわけでレンタル品も無事に届き、我々FUNTESTの愉快な仲間たちと、茶人リーマン松澤さんと、スペシャルゲストの方をお迎えして第2回蒸留実験を開始いたしました!せっかくなので一緒に実験をしたメンバの写真を撮っておけばよかったと後悔しましたが、代わりに我らが実験場に届いたアランビック蒸留器の勇士をご覧下さい。見て下さいこの現実離れしたアイテム。

たぶんもう二度と使うことはないであろう(笑) アランビック蒸留器です。美しい

今日はこちらの器具を使い、松澤さんに用意して頂いた4種類の茶葉で実験をしてみることにしました!

その1:生の茶葉を使った蒸留

まず最初の実験は、生の茶葉です。いわゆる市販の「茶葉」になる前の、畑でとってきたばかりの茶葉を蒸留してみたらどうなるかという実験です。そもそも生の茶葉を見ることもあまりないので、さっそく貴重な実験ですね。この茶葉を、アランビック蒸留器の材料入れにセットします。

蒸留器の上部からフタを開けると、間に材料入れておくところがあり、蒸し器のようになる仕組みのようだ

材料をセットし終えたら、さっそく火をつけて沸騰させます。

このひょうたん型の下の方に液体が入っており、この沸騰した蒸気が上から管を通り、左側のクルクルとなっているところで冷やされ、液体に戻される仕組みです。しばらく熱していると、少し上部から蒸気が漏れだしたものの、無事に下の管から液体を抽出することに成功しました!しかも、前回よりもかなり少ない「蒸気漏れ」で抽出ができたので、改善点は期待通り対策できたと言っていいと思います。

さっそく、出来上がった蒸留液を飲んでみました。すると…あれ…前回と、同じ…?(笑)

なんと、せっかくちゃんとした器具を使って実験してみたものの、なんと前回とほぼ同じというか、むしろ草っぽさがさらに増したおかげで「草を絞った水」のような味になってしまっていた。ハッキリ言ってマズい。いやしかし最初は草を蒸留したんだから、それはそうだろう、次からが本番である!ということで、さっそく次に取り掛かることにしました。

その2:煎茶の茶葉を使った蒸留

続いての実験は、煎茶を使った実験です。こちらはちゃんと製品にした茶葉なだけあって、非常に香り高い状態になっていて、これなら期待できるとばかり、張り切って蒸留器にセットしました。

こちらは蒸留している最中から良い香りが漂ってきて、なんとも期待感が膨らんできます。そしてさきほどと同じく、しばらくすると管の先からポタポタと蒸留水が抽出されてきました。そして匂いを嗅いでみると…あれ…さっきとそんなに変わらない…?(笑)

そうなんです、なんと結果はほとんど変わらず、少し渋みが感じられるかも…?程度で、基本的にはマズい草水という範疇から抜け出すことができませんでした。なんてことだ!

そして実験は続いたが…

その後、3つ目は「和紅茶」、4つ目は「玄米茶」と、少しずつ香りが強い茶葉に変えて実施してみました。が、何度やっても「少し香りが良くなった草水」ができた、という結果になっただけでした (笑) どうやら蒸留器の問題ではなく、「草を蒸留する」ということ自体にかなりハードルがあるようです。

本日の実験結果を並べてみたら、ものすごく「実験をした」感がでました

しかし実は、実験前に色々と調べた際に、おそらくこうなるであろうことは予想はついていました。なぜなら、蒸留とは「沸点が異なるものが混じり合っている状態のものを分離・抽出する」という技法であり、この方法では、お茶や葉っぱをつけた水から抽出をしても、美味しさを感じる成分を抽出することは難しそうだ、ということは分かっていたからです。

じゃあなぜこれをやったのかというと、その理由は大きく3つです。

 ・せっかく蒸留実験に興味を持ってくれた松澤さんと一緒に遊びたかった
 ・アランビック蒸留器を使ってみたかった
 ・実際にやってみないと、どうなるか分からないから!

実験結果としては「予想通り」だったのですが、自分的にはこれによって得たモノもありましたので、トータルで非常に満足のいく実験会になりました!

今日のMVP

ちなみに、今日の蒸留実験で何が一番美味しかった?と問われたら、実験前に松澤さんが振る舞ってくれました「水出しの和紅茶」と答えます。蒸留全然関係ないんですが(笑) これはマジで美味しかったので、みなさんもぜひお試しください。和紅茶はこちらの松澤園のオンラインショップから購入することも可能です!

水出し和紅茶、美味しくてみんなでガブガブ飲みました

最後はなんだか宣伝っぽくなってしまいましたが、別に松澤さんとは利害関係もなにもありません(笑)
単純に、実験に興味を持ってくれて、一緒にやってくれたということが嬉しかったので、ぜひ他にも「FUNTESTとこんなことがしてみたい」というアイデアをお持ちでしたら、お気軽にお声がけください!

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